活動報告 vol.11 「私にとって重要な活動の一つ」
八千代リハビリテーション学院の皆さん、入学を希望している皆さんこんにちは。
チリで青年海外協力隊として活動している現在休職中理学療法学科教員の奥田です。
最終学年の皆さんは、いよいよ追い込み時期になってきましたね。そろそろ国家試験が待ちきれない、と思う人も出てきたのではないでしょうか?くれぐれも体調管理には気を付けて、最後まで諦めないで頑張ってください。
1月26日に私の任地であるウアラニェ市で日本を紹介するお祭りを実施しました。チリの日本大使館から日本の食べ物サンプルや日本の建物の模型、浮世絵などを借りて展示したり、箸の使い方講座、チリの演奏家による尺八演奏、チリボランティアの理学療法士の三橋隊員による三線演奏、市民も参加しての盆踊りなどを行いました。市役所の職員、手伝ってくれたチリJICAボランティア、大使館など多くの人の援助のおかげで実施することができたのですが、私一人では普段なかなか日本の良さを伝えることができなかったので、私の活動期間中に、ウアラニェ市で日本紹介ができたことを嬉しく思っています。
日本祭りの様子
大使館から鯉のぼりも借りました。
大使館から借りた日本の食べ物の展示。日本食が恋しくなりました。
着物(浴衣)コーナー。
箸の使い方講座。チリボランティアの谷口さん、浴衣の着付けや、箸講座など、大活躍していただきました。
名前を日本語で書いてあげています。
私は日本の遊びを教えたり、色々まわっていました。写真はけん玉をやっているところです。
三橋さんの三線演奏。
尺八演奏。
みんなで盆踊りを踊りました。正直に言うと、日本では踊ったことがないかも・・・。
さて今回は、私にとって重要な活動の一つ、を紹介します。
それは、サッカーです。
ボランティアとしてチリに来ているのに重要な活動がサッカーかよ!とツッコミを入れたくなる人もいるかと思いますので、以下にその説明(言い訳?)をしたいと思います。
JICAボランティアは、現地の人々と共に生活をしながら活動をすることで、「異文化社会における相互理解の深化と共生」を目的の一つとしています。私は理学療法士としての要請に対して日々活動をしていますが、理学療法士としての枠だけで活動をしていると、どうしても関わる人の幅が広がりません。「国際貢献」のとらえ方は様々あると思いますが、一人でチリの田舎でできることは限界があります。その中で、自分に何ができるのか?と考えた時に、一人でも多くの人と知り合い、一人でも多くの人と仲良くなることで、私が任期を終了してチリを去った後も、日本で何かあった時に「そういえば、一緒にサッカーをやった日本人がいたな・・。」と思い出してくれることが、私がチリに来た意義にもなるのではないかと思っています。
JICAボランティアの活動時間以外の過ごし方は人それぞれだと思います。私の場合は、チリはサッカーが盛んで、大人も子供も日常生活の中にサッカーがあるような生活をしており、交友関係を広げるにはサッカーが一番だと思い、サッカーをやっています。と、言い訳をしていますが、ただサッカーをやりたいだけではないか?という意見に対して反論は致しません。。今ではサッカーを通して知り合い、サッカーを通して仲良くなった人がたくさんいます。チリは日本のように仕事が終わったら職場の仲間でちょっと一杯、なんてことはないので、サッカーをやっていなかったら、ほとんど交友関係も広がらなかっただろうと思います。
しかし、サッカーにはリスクも伴います。まず一つ目のリスクは怪我です。私も2017年2月に、試合中に右足首を怪我してしまい、2週間活動を休止し、多くの人に迷惑をかけてしまいました。不幸中の幸いとして、自分自身でチリの田舎の医療を体験することができたことは、貴重な体験であったとも思っています。現在はテーピングをしながらサッカーをしていますが、足部に対するテーピングの技術も向上したと思っています。チリは伸縮性のテープはたくさん売っていますが、非伸縮性のテープは少なく、あっても1巻1,000円くらいで高価です。少ないテープで、いかに確実に固定するかということを考えながらテーピングをしています。
2つ目のリスクは対戦相手です。私はチリのリーグに加入してサッカーをやっているのですが、みんな勝負がかかっているので真剣です。さらに試合直前までビールを飲んで酔っ払った状態でサッカーをやっている人もいるため、乱闘騒ぎもしょっちゅうです。そんな中、たいして上手くもない日本人が調子に乗って点でも決めようものなら、その後は徹底してつぶしにかかってきます(「つぶす」というのはサッカーで使用される用語で、基本的にはその人がボールを持ったらファウルでも何でもしてボールを持たせないこと)。また、私も試合中は真剣なので、故意ではなくても時にはファウルをしてしまうときがあります。ファウルをしてしまった相手の中には次の試合でも覚えていて、執拗に私に対して当たってくる人もいます。仲良くなるためにやっているはずなのに、一部に敵を作ってしまったことは寂しいところです。また、日本の草サッカーとは違い、会場には多くの観客がいて、大きな歓声とともに、ミスやファウルに対してはヤジが飛び交います。ヤジは基本的には「スペイン語」ではなく、辞書には載っていないような汚い言葉ですね。自分達のホームスタジアムではなく、相手チームのスタジアムに行くと、外国人ということで差別的なヤジを受けることも多いのは、非常に残念に思います。
しかし基本的には試合が終了したら、敵味方関係なく一人一人と握手やハグをし、お互いにプレーを称えあって仲良くなります。練習試合の時には、チームが混ざってアサド(バーベキュー)をしながらビールを飲んで楽しむこともあります。
日本帰国まで残り約1か月。勿論、理学療法士としての活動もしっかりやりますが、怪我のないようにサッカーも楽しみたいと思っています。
少し思い出深い、去年のリーグの決勝戦直前の写真。チームは勝利して優勝したのですが、この30分後くらいに私は怪我をしてしましました。
市役所のチーム。たまに他の市役所のチームと交流戦をします。
昨年優勝したチームとは別のリーグのチーム。みんな良い人たちなんですが、ご覧の通り若干年齢層が高いので、なかなか勝てない・・・。
サッカー場でもアサド!
過去の活動報告
活動報告10:理学療法士としての活動報告⑤その他の活動
活動報告9:理学療法士としての活動報告④学校での活動
活動報告8:理学療法士としての活動報告③高齢者会議での活動
活動報告7:理学療法士としての活動報告②個別理学療法
活動報告6:理学療法士としての活動報告①訪問理学療法
活動報告5: チリの医療について
活動報告4:チリの食生活について
活動報告3:チリでの活動について
活動報告2:派遣前訓練について
活動報告1:JICA青年海外協力隊について